2020年も2月に突入したというのに、
昨年の9月1日~12月31日までの4ヶ月間に観た映画の中から、
“いい映画ベストスリー”を独断と偏見で発表。
今回は第2位の発表。
第2位はコレ。
「存在のない子供たち」です。
あのゴーンさんが逃亡先に選んだレバノンの映画で、
シリア難民の両親を持つある少年のお話。
社会保障なし、出生証明もなし、社会的に存在していない人たちが、
どのようにして毎日を生き延びているのか、
シリアスなタッチで問題を提起している作品です。
主人公の少年はとても逞しく、健全な意思と考えを持っているが、
絶望的な環境が次々と少年の希望を剥いでいく。
ついにある事件を起こしてしまい、逮捕された少年。
しかしこの逮捕がきっかけとなり、
少年は社会的地位のあるまっとうな大人と出会うことができます。
そこで少年が選択したのが、自分を産んだ両親を訴えること。
“しっかり守り、育てる意思がないのに、子どもを産んだ罪”を糾弾したのです。
子どもは勝手に育つこともありますが、守ってあげないとダメですもんね~。
子どもにとって守られてるっていう実感が大きい。
動物でも守りますから…… 命がけで……
主人公の少年の演技がすばらしく、映画に引き込まれていくのですが、
実は俳優さんではなく、スラム街で育った普通の少年だそうです。
監督さんの洞察力のスルドさに感心させられます。
観てスカッとする映画ではありませんが、
考えさせられる いい映画でした。