2017年下旬、勝手に映画ランキング          その4

すでに2018年がスタートしていますが、そんなことお構いなしに

昨年の9月~12月末までの4ヶ月間に観た映画の中から、

“いい映画ベストスリー”を独断と偏見で発表。

ただし私の場合、スクリーンよりもDVDでの映画観賞が多いので、

ほぼ旬を過ぎた作品ばかりですが、あしからず。

第2位は「pk」です。

いや~面白くてすごい、オモスゴ映画でした。

主演、監督が2009年の傑作「きっと、うまくいく」と同じなので、

期待して観ましたが、その期待を上回る出来栄えで大満足でした。

主演のアーミル・カーンって人、

「きっと、うまくいく」で大学生の役をやってたので、

いったい何歳なのか調べてみると、なんと53歳!!

刺激的な映画の内容と併せて、二重の驚きです。

「pk」でのアーミル・カーンは、

見た目は人間とまったく変わりませんが宇宙人の役。

映画の冒頭に、

星は一体いくつあるのか数えてみたことある?

この銀河系を数えるだけで6千年かかるらしい

銀河はほかにもある

天文学者によるとあと20億も

だとしたら宇宙にある星の中にひょっとして

人間に似た生物がいる星も?

こんな問い掛けが……

映画では20億と答えていましたが、

2000億コや2兆コという説もあるようで、

ようするにそれだけ星の数があるのだから、

宇宙人が存在しててもおかしくはないでしょうと説明。

さらに、「本作はフィクションであり、

いかなる個人 団体 宗教も傷つける意図はありません」

と事前の告知が……

オープニングから興味を掻き立てられる展開です。

 

遥か彼方の星から地球にやって来た、アーミル・カーン。

インドの砂漠に降り立ち、最初に出会った人間に、

帰りの宇宙船を呼ぶペンダントを奪われてしまいます。

時を同じくして、場所はベルギー。

インド人でヒンドゥー教徒のヒロインと

パキスタン人でイスラム教徒の男性が恋に堕ちます。

しかし国家が不仲であるインドとパキスタン、

さらに異なる宗教であるため、

二人はロミオとジュリエットのように家族の大反対で

引き裂かれてしまいます。

ペンダントを取り戻そうと、インドをさまようアーミル・カーン。

そして彼は人間と触れ合う中で、地球にはどんな願い事でも叶えてくれる、

神という存在があることを知ります。

どんな願い事でも叶えてくれるのなら、

きっと失ったペンダントを取り戻せるハズ。

ここから彼の神様探しが本格始動。

そんな時、ベルギーで恋に破れたヒロインとアーミル・カーンが、

インドの地下鉄で出会います。

さて、彼は無事にペンダントを取り戻し、

星に帰ることができるのか……

はたまたヒロインとの恋の行方は……

それは観てからのお楽しみということですが、

笑って、泣ける娯楽傑作であることは太鼓判ものです。

それにしても、信仰心がとても強いイメージがあるインドで、

よくもまぁこんな映画がつくれたものだと感心させられるくらい、

宗教的なタブーをコミカルに描いています。

インド映画の娯楽一本やりだけでない、

シャレた反骨精神を見せつけられたようで、

この映画をきっかけに、ますますインド映画の可能性に魅了させられました。

とは言って、この映画でも、

意味の無いダンスシーンは健在です。

こちらはインドの伝統として、無形文化財のようなもの、

寛容に快くたしなむことが映画を楽しむコツです。

不条理な世の中をコミカルに描き、問題提起した「pk」。

かたや超シリアスに描いた「沈黙」。

どちらも「神とは」「宗教とは」を描いた作品。

時には人類永遠のテーマに想いを馳せるのもいいのでは……。

そうそう、1つだけ残念なことが……

「pk」のポスターやジャケットのデザインがイケてない……。

誰もが避けて通るようなきわどいテーマを、

絶妙のユーモアと見事な構成力で傑作に仕上げたのに、

その面白さがまったく伝わらないビジュアルになっています。

デザインとコピーが映画の内容を高度に想像させる仕上りだったら、

もっと多くの人に興味を持ってもらえたのでは……?

そんな思いがします。

題名の「pkは」、絶対に「ET」を意識していると思います。

※なぜpkなのかは、映画を観てお確かめください。

 

 


カテゴリー: フッカー, 日記 パーマリンク

コメントは停止中です。