今年1月~4月末までの4ヶ月間に観た映画の中から、
“いい映画ベストスリー”を独断と偏見で発表。
ただし私の場合、DVDでの映画観賞がほとんどなので、
ほぼ旬を過ぎた作品ばかりですが、あしからず。
今回は第2位の発表。
第2位は「LION」です。
子どもの頃、親と一緒に買い物やレジャーに行って、
キョロキョロしてたら気が付くと誰もいない。
親とはぐれて迷子になった、そんな経験誰でもありますよね。
自分がどこにいるのか分からない。
どっちの方向へ向かえばいいのかも分からない。
もう二度と親と会うことが出来ないんじゃないかという絶望感。
懐かしい記憶です。
この映画はそれの、超スケールがデッカイ版です。
主人公はダニー・ボイル監督の「スラムドッグ$ミリオネア」でも
主演を演じたデブ・パテル。
あれから9年の歳月を経て、彼も大人になりました。
しかし、この映画で注目すべきは彼ではなく。
彼の少年時代を演じた子役くんです。
サニー・パワールくん、覚えておきましょう。
鈴木 福くんの100倍、いや1000倍スバラシかったです。
インド人の底力を見せつけられた感じがしました。
1986年、母親とお兄ちゃんと妹、四人でインドのど田舎で暮らしている5歳のサルーくん。
お兄ちゃんと一緒に石炭を運ぶ列車に忍び込み、
ちょっとばかし石炭を盗んではそれをミルクに換えて一家で飲む。
これを日課としているような、超貧しい暮らし。
5つか6つ上のお兄ちゃんは、家計を助けるためにガテン系のアルバイトをしています。
そうです、親孝行なのです。
ある日、いつものようにお兄ちゃんがバイトに行こうとすると、
サルーくんが「僕も行く」と言いだし、バケツや自転車を持ち上げたりして、
自分も肉体労働ができることをアピールします。
この辺りの兄弟のやりとりが、たまらなくイイんです。
お兄ちゃんは、家計に役立ちたいと願う弟の意思を尊重して、
現場だったか工場だったか、仕事のある町まで弟を連れて行くことにします。
しかし、どんなに強がっても弟は5歳のお子ちゃま。
現場だったか工場だったかの近くの駅に到着した時には、
もう日が暮れてて、あれだけ張り切っていたのに弟はおねむの状態。
お兄ちゃんは悩んだあげく、「ここから絶対動かないよう」伝えて、
眠たくてグズる弟を駅に残して仕事に向かいます。
ここからキャッチコピーの通り、
「迷った距離1万キロ、探した時間25年、道案内はGoogleEarth」が
はじまります。
その後どうなるかは、是非とも映画をご覧ください。
「LION」も「スラムドッグ$ミリオネア」も、とにかく子役がスゴイ。
インドのお話=優れた子役、こんな方程式が成り立ちそうです。
特に「LION」のサニー・パワールくんは、
撮影当時には演じている少年役と同じ5歳だったそうです。
最後にご忠告を一つ。
エンドロールが終わるまで席を立たず、しっかりとご覧ください。
この映画のタイトルがなぜ「LION」なのかの謎が解明します。
※この映画のキービジュアルにデブ・パテルと「キャロル」って映画で
注目を集めたルーニー・マーラっていう女優さんの2ショットが使わ
れていますが、これがイケてないっていうか、映画の良さがまった
く伝わってこない。
なんでこのビジュアルなのか、ルーニー・マーラを見せたかったのか?
デザインが違ってたら、もっと沢山の人に観てもらえると思うのですが……
そう思ったのは、私だけでしょうか?
もっとサニー・パワールくんを使えばいいのに……
映画はさておき、キービジュアルのデザインには納得いきませんでした。