2017年上旬、勝手に映画ランキング          その2

今年1月~4月末までの4ヶ月間に観た映画の中から、

“いい映画ベストスリー”を独断と偏見で発表。

ただし私の場合、DVDでの映画観賞がほとんどなので、

ほぼ旬を過ぎた作品ばかりですが、あしからず。

今回は第3位の発表。

第3位は「リリーのすべて」です。

昨年「博士と彼女のセオリー」でアカデミー主演男優賞をゲットした、

エディー・レッドメインが2年連続して主演男優賞にノミネートされた作品です。

監督も万全。「英国王のスピーチ」でアカデミー作品賞を受賞したトム・フーバーさんです。

なので映像がとても上品。

なんだかんだあって、ジョニー・デップと別れたアンバー・ハードも出てますが、

彼女もいつもより上品に見えちゃうから不思議です。

物語は1926年、デンマークで世界ではじめて性別適合手術を受けたリリーさんのお話。

リリーさんは結婚もしていて、それまで男性として普通に暮らしていました。

特別なところと言えば、夫婦が共に画家だということ。

リリーさんは風景画家で、奥さんは肖像画家。

ただ、この奥さんが肖像画家だったということが、

運命を変えるカギになってしまいます。

ある日、モデルが手配できず、

締め切りが迫っている絵を仕上げるため、夫であるリリーに代役をお願いします。
※正確には、夫はまだリリーではありません。
彼の中の女性が目覚めてからリリーと名乗ることになります。
ここでは男性の時の名前を覚えていないので、このまま進めます。

これが間違いでした。

モデルの代役をやっている最中に、本当の自分に気づいてしまったのです。

リリーさんと奥さんのその後の葛藤が、二人の見事な演技で繊細に描かれます。

エディ・レッドメインはもちろんですが、

奥さん役のアリシア・ビカンダーっていうのかヴィキンデルっていうのか、

ややこしい名前の女優さんもスバラシかったです。

この映画一発で、ちょっとファンになってしまいました。

と言いつつ、いつものようにすぐ忘れるのでしょうが……。

今のところは、彼女の次回作に期待しています。

映画なので脚色は大いにあると思いますが、

題材となったリリー・エルベは実在の人物だそうです。

1882年にデンマークで生まれて、22歳で結婚、

30歳の頃には女性として暮らしていたそうです。

静かに追い込まれてゆく、トランスジェンダーの性の悩みを、

上品に描いていた良作でした。

 


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