昨年9月~12月末までの4ヶ月間に観た映画の中から、
“いい映画ベストスリー”を独断と偏見で発表、
第2位は「トランボ」です。
実話がベースになっている作品。
1940年にアカデミー脚色賞にノミネートされ、
人気の脚本家となったダルトン・トランボが、
第二次世界大戦後のアメリカを襲った赤狩りの餌食となり、投獄。
出所後はハリウッドから完全に干されてしまうが、
ギャラと名声を捨て、偽名を使ってでも脚本を書き続けたっていうお話し。
映画になるほどトランボさんがスゴイところは、
権力に屈することなく脚本を書き続けたことだけでなく、
ゴーストとして書いたもの中から2作品が、なんとアカデミー賞を受賞。
しかもその中の1つが、あの「ローマの休日」なのです。
お姫様が普通の女の娘のふりしてローマを散策。
新聞記者と出会い恋に落ちる、あまりにも有名なこの物語は、
トランボさんの脚本だったのです。
それにもかかわらずオープニングにもエンドロールにも、
トランボさんの名前はありません。
ゴーストとして脚本を書いたものなので、当然のことですね。
1953年、オードリー・ヘプバーンはこの作品が
ハリウッドデビュー作だったにもかかわらず、
そのキュートさが世界中を席巻し主演女優賞を獲っちゃいます。
映画の中でお姫様が変装するため、思い切ってショートヘアーにした
ヘアースタイルが「ヘプバーンヘアー」として世の女性たちに大流行。
オードリー・ヘップバーンの人気に火を付けた、
という話を聞いたことがあります。(たぶん当ってると思う…)
古い映画でモノクロではありますが、オードリー・ヘプバーンは可愛いし、
グレゴリー・ペックはカッコいいし、とにかく二人ともキラキラしてました。
なんなんでしょうね~、映像美を超越した演者が発する魅力がいっぱいの映画でした。
私は、この真実の口のシーンが印象に残ってますね~。
話が逸れてしまいました…「トランボ」に話題を戻すと。
作品の中に、懐かしい大物さんが登場します。
西部劇で有名なジョン・ウェインとアメリカ大統領にまでなったドナルド・レーガン。
この二人は赤狩りの肩を持つ、弾圧側の嫌な俳優として登場します。
もう一人、マイケル・ダグラスのお父ちゃんカーク・ダグラスも登場。
彼は陰でトランボの才能を応援する俳優、とてもいい人として描かれています。
また、トランボの奥さん役として、ダイアン・レインが良妻賢母してました。
困難に立ち向かい、復活を果たしたトランボさん。
それが実現できたのは、才能を認め合った仲間と
最後まで彼を支えつづけた家族があったから……
なんせ風呂の中でも脚本を書き続けた、まさに仕事中毒。
実話だけど記録映画的な風味をまったく感じない、いい映画でした。