昨年9月~12月末までの4ヶ月間に観た映画の中から、
“いい映画ベストスリー”を独断と偏見で発表、
栄えある第1位は「ブルックリン」です。パチパチパチーー。
シアーシャ・ローナンっていう女優さんが主演なんですが、
泣いたり、叫んだりは一切無し、
特にコレと言った特長のない女性をナチュラルにしら~と演じていて、
本当に見事でした。 まだ若干22歳。
これまでの彼女の映画で印象に残ってたのは、6年前の「ラブリーボーン」。
あの当時より顔も身体もふっくら角が取れて、
「クレイマー、クレイマー」や「ディア・ハンター」に出てた
若い頃のメリル・ストリープを彷彿とさせて、超大物になる予感がします。
故郷アイルランドには仕事がないので、アメリカに一人で出稼ぎに出る少女のお話しです。
1950年代、手つかずの自然を多く残し、つつましい営みで生活しているアイルランド。
すでに隅々まで手をつけまくり、摩天楼が林立するど派手なニューヨーク。
洗練とは縁遠い田舎娘がホームシックに陥りながらも
徐々に成長し、いっちょ前の女性になるまでが描かれています。
覚えにくい名前のシアーシャ・ローナンの両親が実際にアイルランド出身で、
本人はニューヨークで生まれて、育ちはダブリンの郊外だそう。
だから、本作は彼女にピッタリの設定だったんですね。
コレと言った刺激的な見せ場がないにもかかわらず、
シアーシャ・ローナンをずっと応援したくなる不思議な魅力に引きつけられます。
アカデミー賞で作品、主演女優、脚色賞にノミネートされたのが頷けます。
誰を捨てて、どこで誰と生きていくか……
女性の究極の選択を疑似体験できる、いい映画でした。
ということで、2016年下旬の栄えある第1位は、
「ブルックリン」でした。
まだご覧になっていない方は、ぜひご覧あれ。