ブ厚いだけに、そのブ厚さに見合う面白さを期待して読んでみた。
読んでみての個人的な感想を、なぜだか野球のピッチャーに例えると。
前半はバッターを圧倒する直球とキレのある変化球で、
バットにかすりもしない見事なピッチング。
衝撃の出足に記録的な試合を予感させ観客を唸らせるが、
中盤は直球の勢いが落ち同時に変化球のキレも衰え、
バットの芯をハズすピッチングに……。
後半はとにかく低めとバッターのタイミングをハズす投球に終始し、
なんとか完投勝利をおさめた。 と言った感じでした。
まぁ完投勝利なので悪くはないですが、
ムダな球数を減らせば、もっと引き締まったいいピッチングになったのでは?
と個人的にはそう思いました。
内容について書いてしまうとネタバレになってしまうので、
無難なところを紹介すと、「教団X」というだけあって、
本編中に仏教の教えが多く記述されています。
その中でブッダさんに関することを引用してご紹介。
仏教を少しかじっている方はご存知かと思いますが、
ブッダさんはあのキリストさんより約600年~400年前に生まれたとされています。
29歳の時妻子を捨てて放浪し、35~36歳で悟りを開いたと言われています。
スゴイですね~たった6、7年で悟りを開いちゃったんですね。
ずいぶん以前に読んだ本には、
ブッダさんが放浪をはじめた当初は生死をさまようような荒行に挑んだそうですが、
ある日「これは違う」と開眼し、その後おだやかに修行をして悟りを開いた。
一度、たぶんどこかの洞窟で自ら極限の断食&瞑想に挑み、ほとんど死にかけて、
ふらふらになって山里に降りた時、ミルクを与えてくれたのがスジャータさんだったと、
書いてあったような、なかったような曖昧な記憶があります。
教義=思想。
思想が人にどれだけの影響を及ぼすのか……。
我々は“考える葦”と呼ばれる生き物だけに、永遠のテーマなのであります。