ゴルフ場に着くと、スタート前にゆっくりしゃがむのが私の五郎丸バリのルーティン。
ゴルフ場の朝のトイレでは、オッサンという野獣が大挙して駆け込み、
いろんな獣の鳴き声を聞くことができます。
「バオ~ン!!」怒ったゾウもいれば、「ガガガガガオー!!」と調子の悪いライオンや
「プヒ~」とやっと水面に顔を出し息を吸うことができたイノブタ、
中には「ピピピピピピ」とジャングルには似つかわしくない鳴き声を出す小鳥もいます。
とにかく賑やかです。
スタート時間が迫っている、あわてている野獣ほど激しく吠えます。
ということで、ご多分に漏れず私もトイレに……。
するとどうしたことでしょう、
ドアの内側がビショビショに濡れているではありませんか……
しゃがむどころではありません。
しばし立ち尽くし、何があったのか推理を巡らせることに。
ムムムム たぶん、今どき常識であるウォシュレットを使い慣れていない先客の野獣が、
吠えつくした後にタイミングがズレて“おしりボタン”を押したのであろう……。
なんと愚かな、そして迷惑な。
そう答えをはじき出し、幸いにも便座には被害が及んでいなかったので
一件落着とゆったりしゃがむことに。
ことが終わりスッキリとして、スコアカードやケータイをポッケにしまい、
キャップに手を伸ばしていると「ウィ~ン」と聞きなれない機械音が……
ハッと振り向くと、
これまためったにお目にかかれないノズルがニョキ~と伸び出てくるではありませんか。
「しまった!! ビショビショの原因は不慣れな野獣のせいではなく、機械が故障していたんだ!!」
そう思った瞬間。 そこからがスゴイ。
まるであん馬かひねり王子かのごとく、
狭いトイレの中で体をひるがえし、ウォシュレットのシャワー攻撃を避けたのです。
急いでマーライオンのように噴射するウォシュレットを止め、
トイレの洪水被害を最小限にとどめたのです!!
トイレットペーパーで応急処置を施した後、
たまたまトイレを掃除していたオバチャンにことの次第を報告。
それにしても、とっさによく体が動いたものだと我ながら感心。
肝心のゴルフでは味わえない、不思議な充実感に満たされた朝なのでした。