ジャ~ン!! 2015年上旬、栄光の第1位は!!
「おみおくりの作法」です。
孤独死をした故人の人生をひとりひとり丁寧に辿り、
心を込めて弔うことを仕事としている民生係の男のお話です。
亡くなった方の部屋に残された数少ない手がかりから
知人を探し出して葬儀への参列を促したり、
それぞれの宗派を特定して教会を決めたり、
故人が好きだった曲を見つけて葬儀で流す音楽を選んだり、
弔辞も自ら考え、参列者が誰もいなければ彼が唯一の参列者となり埋葬する。
孤独な死を迎えた人の最後を、彼が責任を持っておみおくりします。
仕事とはいえ、彼はなぜそこまでするのでしょう。
しかし皮肉なことに、そんな彼も孤独なのです。
自分だけでも亡くなった方のことを覚えていてあげようと思ってのことでしょうか、
埋葬が終わると亡くなった方の写真をアルバムに丁寧に貼る日々。
そんなある日、業務が統合されるのを機に彼はクビを宣告されます。
上司にとって彼のやり方は、時間の無駄にしか映らなかったかったのです。
真面目な彼は、理不尽な命令にも逆らいません。
ただ今抱えている案件だけは、最後までやらせて欲しいと懇願し、了承を得ます。
(ユーモラスなささやかな抵抗はありますが)
彼にとって最後の、孤独死をした人の身寄りを探す旅がはじまります。
そしてこの旅が、彼の人生の色彩に鮮やかな色を加える旅になるのです。
個性的な面持ちのエディ・マーサンっていう俳優さんの演技が見事でした。
エディ・マーサンと言えば以前紹介した「思秋期」に
DV亭主で出演してて、奇跡のハエが顔にとまった人です。
(あのハエは合成でしょうが…)
どんな役柄でもこなすイギリスを代表する俳優さんです。
「おみおくりの作法」のチラシには、
ハエではなく、奇跡のラストと書かれていますが、
奇跡は少し大袈裟ですが、とてもいいラストであることは間違いありません。
エンドロールが流れている間、そこらじゅうでグッスン、グッスン言ってました。
ということで、2015年上旬の第1位は「おみおくりの作法」でした。