ベストスリーに入らなかった惜しい映画の続き。
3本目は「母の身終い」です。
これで「母のみじまい」と読ませます。
今はまだ普通に生活できているが脳腫瘍を患っている母親と、
いい歳こいて欲をかいて社会の底辺に沈んだ息子の切ないお話です。
48歳にもなって金に目がくらみ、麻薬の密売に加担し服役。
懲役して仕事が無いため母親の家に身を寄せるようになるが、
生き方に厳しい母親が不甲斐ない息子を許すはずもなく、
親子の関係はギスギス確執状態。
そんなある日息子は、母親がスイスの施設と交わした尊厳死の契約書を見つける。
貧しくてもいつも身なりをきちっと整え、甘えが無い母親と。
たった一度の甘えのせいで、人生の先が見えなくなった息子。
息子は母親の秘密を知ったことを打ち明けられず、
時は刻々と最期へ向かって過ぎてゆく…。
親子が口論となり息子が暴れるシーンがあるのですが、
母親のおびえる演技が見事で、全編を通して物静かな役柄の中で
キラリと役者魂を見せ付けられた気がしました。
クライマックスも秀逸で、
ギリギリで生きている不器用な親子のリアルな姿を目撃したようで、
なんとも言えぬ哀愁に包まれ、終焉について考えさせられる映画でした。
惜しい作品最後は「マダム・イン・ニューヨーク」です。
親戚の結婚式に出席するため、インドからアメリカへ。
ワタクシ同様英語がまったく出来ない一人の主婦が、
英会話へのチャレンジを通して、
失いかけていた自信と人生の輝きを見つける物語です。
彼女が英語を学ぶクラスメイトもユニークで、
最後にお約束通りスピーチするシーンは爽快でした。
これまで紹介した3作品と違い、
観賞後にスカッとしたい人におすすめです。
それにしてもボリウッドはあなどれませんな~。
観客のツボをしっかり押さえてきます。
ボリウッドを観る度に日本映画も頑張れって思ってしまいます。
それでは次回からベストスリーの発表です。
奇特な方、お付き合いの程、よろしくお願いします。