稲川淳二の本職はインダストリアルデザイナーだった!
日テレ系の某番組で知った事実。
私には今年一番の衝撃でした。
稲川淳二と言えば、私には夏の風物詩みたいなもので
怪談話が上手いタレントのおっちゃんと信じて疑わなかったのに。
今まで知らなかった事が二重にショックです。
一般に広く知られているもので言えば
これとか
(出典:NHKTV)
稲川淳二デザインなんだそうです。すごいな!
車止めをデザインして1996年のグッドデザイン賞も受賞しているそうで。
確かにあれだけ怪談考えられるんだから創造性はずば抜けてるという事なんでしょうね。
デザイナー繋がりでショックだった事がもうひとつ。
日本デザイン界の巨匠である
GKデザイングループ会長 榮久庵 憲司(えくあん けいじ)氏が亡くなられました。
YAMAHAブランドや東京都のシンボルマーク、JR東日本253系電車、日本中央競馬会ロゴマークなど、
数多くのデザインを手掛けながら幅広く活躍されており、
名前は知らなくても「これ、見た事ある」と思うものがいくつもあるのではないでしょうか。
私が榮久庵氏を知るきっかけとなったのは、
学生の頃にバイク雑誌で見たYAMAHAのV-MAXでした。
「日本製のアメリカンタイプ」という事にも驚きましたが、
アメリカンタイプにネイキッドの要素を加えたような独特のフォルムに
心を鷲掴みにされたのでした。※筆者は女です
後に、どこの家庭にもあったキッコーマンの醤油瓶を
デザインした人だと知ってさらに驚きました。
その時の驚きは「バイクのデザインを考えた人と同じなんて!」
という単純なものでしたが。
氏のデザインを代表するキッコーマンの醤油瓶は
今や「昭和」を代表するもののひとつにもなりました。
昭和36年に世に出たこのデザインは、54年がたった今も変わっておらず
海外の和食レストランなどでも“ソイ・ソース”といえばこの醤油瓶。
米国のニューヨーク近代美術館(MoMA)では、
これを日本的なデザインの典型として所蔵しているそうです。
今このデザインを見るにつけ、
デザインとは削ぎ落とす事なのだとしみじみ感じます。
デザインするための情報はできるだけ多く取り入れ、その中から何を残していくか。
それこそが神髄である気がします。
デザインは目にとまった瞬間が勝負。
その一瞬に心を掴まなければじっくりと見てはもらえない。
だからこそ無駄を削り、迷いを捨て、ブラッシュアップを図る。
シンプルにする事でそのモノの持つ力が増すのです。
「削ぎ落とし」は情報を失うことではなく、情報をシャープに磨き上げること。
分かっていてもなかなか思うようにはいかないのが現実ではありますが、
常に頭の中心に据えておくべき事なのだと思います。
最後に、榮久庵憲司さんのご冥福をお祈りいたします。