2014年下旬、第2位は「ダラス・バイヤーズクラブ」です。
酒と女とドラッグを大いに楽しみ刹那的に生きる男が、
HIVの感染が発覚し余命30日を宣告される…。
それからの男の生きざまが描かれている、実話をベースにした作品です。
マシュー・マコノヒーとジャレッド・レトの怪演が話題になっていましたが、
マコノヒーはこの映画でエイズ患者を演じるため21㎏減量したらしく、
まさに壮絶と言える役づくりを敢行しています。
役づくりと言えば「レイジング・ブル」でのデニーロの27㎏増量が有名ですが、
それに負けず劣らずの今回の役づくりは「あっぱれ」としか言いようがありませんね。
ただ痩せるだけでなく、余命30日が告げられてから29日目。
車中で苦悶するシーンは男の心理を見事に表現した圧巻の演技でしたね。
1985年当時は、エイズについての誤解が多かった頃。
患者は差別や偏見にさらされながら、特効薬は政府が承認したAZTだけと決められていた。
男は噂を頼りにメキシコに行き、アメリカで医師免許を剥奪された医師から
エイズの進行を遅らせるという薬のブレンドを入手します。
そしてそれを自分だけが助かるためではなく、
他のエイズ患者も助けるため会員制のクラブをつくり大量に提供。
ただし、他の人を助けると言うのは建前で、
本当は“金儲けのため”だったというところがこの男らしくていい。
薬を求めて世界中を駆け回る中、日本も登場します。
1987年3月11日、男はインターフェロンを買い付けるため岡山県の林原生物化学研究所を訪れます。
今では岡山イオンモールになってしまった、あの林原ですね。
ジャレット・レトのオネエぶりも見事でした。
結局男は、余命30日などまったく関係なく、1992年9月まで生き続けます。
旅立つ前には、病気が発覚する以前のようにロデオまでやってのけたとか…。