あの頃、君は若かった

暑い日々が続きますね。黒服Aです。

先日友達の結婚披露宴がありまして、
人生初の『友人代表のスピーチ』なるものを頼まれてしまいました。

「そんな大勢の人の前でなんて喋れないよ私」と言って一度は断ったものの
私の数少ないの友人の頼みです。
ここは一肌脱ぐしかあるまいと思い引き受けました。

しかし、友人曰く
「ラフな式にしたいから、何か面白い事言っていいよ」
ってなんなのそれ、
ハードルあげないでくれませんか(泣)

スピーチの依頼を受けたのは披露宴の2ヶ月前。
「2ヶ月もあれば余裕でしょ」などど思っていたら日々はあっという間に過ぎ
気がつけば式まであと1週間というところでようやく焦り始め、
夜中に昔のアルバムを大捜索するはめに。

今回 何がつらかったかと言えば、過去の記憶が思い出せない事でした。
友人とは小学生からの知り合いなので、かれこれ30年余りの付き合いですが、
30年も経つとこんなにも記憶が無くなるものなのか?と愕然とするほど何も出てこない。
しかも今までクラスも部活動もずっと別々だったと思っていたのに、
アルバムを見ると小学校のクラブ活動で一緒に写っている写真を発見。
自分の中で記憶の改竄がおきている。
そんな、人間の記憶のあやふやさを実感して、自分の事ながらちょっと笑ってしまいました。

人の記憶もPCのように検索できたらいいのになー。

さて、スピーチの文例サイトを見たり、本を買って読んだりしたものの、
どれもこれも派手で見栄えのいいエピソードで構成されているものばかり。
その人物の良さをアピールするためのスピーチですから当然と言えば当然ですが、
「あいつがこんな事を言って人生が変わった!」「彼にはこんな凄いところがある!」
などと、世の中スーパーヒーローだらけかと思うほどです。
そんな人前で披露するようなエピソードなんてない…
そういう派手で人に語りたくなるような出来事がないからこそ長く一緒にいられた、という矛盾。
今回の友人に限らずどれだけ仲良く共に過ごした友人であっても、
たとえ記憶に残る事柄があっても、その友人の長所を語れるわけじゃない。
これは本当に苦しい事でした。

とにかく何か書かなければ始まらないと思い、
買ってきた本を片手に文章を書き上げたのは前々日。
これで面目は保たれると一段落。カンペも作った。
けれど前日に見返すと…何だろう、薄っぺらい。
借り物の言葉では友人のアピールどころか自分の思いさえ伝わらない。
上手くやろうとか感動させようとかそんな事は置いといて、
とにかく自分にしか出来ない話をしよう。
それが一番大事なことだと思い直し、
改めて作り直したものが完成したのは当日の朝でした。
友人の言う「面白い事」ではないかもしれないけど、
これで受け入れられないならもう自分ではどうしようもない。
そう思えるくらい達成した気分でした。

いざ、披露宴へ。

残念ながら、壇上に上がって最初の挨拶をした直後に感極まって号泣してしまい、
なんとか声を振り絞り、持っていたカンペを必死で読み上げたという状態で、
何とも申し訳ないスピーチになってしまいました。
後日、相手方のご両親も感動してくれていたと聞き、
ホッと胸をなでおろしつつ、貴重な場を与えてくれた友人に感謝。

でも、ムービーで自分の場面は見たくないです(笑)


カテゴリー: 日記, 黒服A パーマリンク

コメントは停止中です。