いよいよ第1位の発表。
第1位は文句なしに「偽りなき者」です。
理不尽な絶望感にどっぷり浸れる映画です。
ベルギーには「子どもと酔っ払いは嘘をつかない」という諺があるそうです。
でも、無垢なる存在と思われている子どもが嘘をついたらどうなるのか……
そこには最大、最悪の悲劇が待っているのです。
主人公は、日本でいう幼稚園の先生をしているルーカス。
その幼稚園には、ルーカスの親友の娘クララが通っています。
クララはルーカスが大好きです。
ある日、クララはその想いを抑えきれずある行為を試します。
ルーカスはそれを受けて、クララを静かにたしなめます。
ルーカスに注意され、傷つき落ち込むクララ。
何も知らない園長が、そんなクララの様子が気になり声を掛けると……。
決してクララは悪い子ではありません。
それが余計に悲劇を助長するのです。
ルーカスへの嫉妬、間近に経験したショックな出来事がごちゃ混ぜになって、
何の悪気もなく、そう無垢なままついてしまった嘘。
2012年カンヌ国際映画祭で、パルムドール最高賞と主演男優賞を受賞。
さらに、2013年米国アカデミー賞で外国語映画賞オーストリア代表に
なったのが頷ける傑作でした。
クララ役の女の子もスゴい!!
末恐ろしい、見事な演技を披露してくれています。
まるで「ピアノレッスン」のアンナ・パキンを彷彿とさせるようです。
「エンディングは見事に観客の心を刺してくる」
予告編で使われているこのレビューの通り、
ラストはめったにない衝撃が待っています。
無実を証明する手段がない時、あなたはどうしますか……。