第2位は「ゼロ・ダーク・サーティ」です。
今から約3年前、2001年のアメリカ同時多発テロの首謀者オサマ・ビンラディンが、
パキスタンの隠れ家を特殊部隊に襲撃され殺害されました。
この映画はその襲撃に至るまでを、
まるで現場映像をそのまま映し出しているんじゃないかと思わせるようなリアルなタッチ
で、とことん冷徹に描いています。
監督はあの「ハート・ロッカー」で「アバター」旋風だったジェームス・キャメロンに
一撃を食らわせた、元嫁さんのキャスリン・ビグロー。
緊張感溢れる映像は前作以上にハンパなく、
“世界は、真実を目撃する”のキャッチコピーがピッタリ ハマってました。
あきらめることなくビンラディンの動向を追い続け、
ついには隠れ家を突き止めたCIAの女性アナリストを
ジャシカ・チャスティンが演じていましたが、
彼女がとても良かったですね~。
この映画を観ていいな~と思ったので「欲望のバージニア」も観たのですが、
こちらは残念な結果に……また次回に期待しましょう。
話が逸れてしまいましたが、
こんなデリケートな事件をよくぞ映画にしたものだと感心させられました。
そして、もし映画にするのならこの表現方法がベストだということも……。
優れた監督と脚本家だけがなせるワザですね~。
それにしても、この映画を今つくれるスゴさーー。
アメリカって、いつもはグズグズなのに時々こんなことをやらかします。
特殊部隊が隠れ家を襲撃する際の容赦ない発砲。
やられる前にやれ!!を徹底する姿に、首謀者を射止めた誇りはまったく無く、
強烈な虚しさがクライマックスを覆い尽くします。
暴力、特に銃器による復讐は、新しい道をつくり出さない……。
そんなメッセージが聞こえる気がしました。