2013年下旬、勝手に映画ランキング   その3

今回は3位の発表です。

第3位は「永遠の0」です。

ご存知、百田尚樹の大ベストセラーを映画化した作品です。

500ページを超える原作を上手く取捨選択して、144分に纏めていました。

また今作では、「ALWAYS」シリーズで見せた山崎監督とROBOTのコラボが生み出す、

ハイクオリティーなVFX技術がいたる所で炸裂。

特にリアルな戦闘シーンは、映像に臨場感と緊張感を与えていました。

周りが自分のことをどう思おうと、妻と娘の元へ戻り 命を懸けて二人を守り抜く……。

家族への愛、その信念を貫いていた宮部久蔵が終戦直前に“なぜ 特攻を志願したのか”。

物語は、当時の宮部久蔵を知る人たちの証言を聞いて回ることで、

少しずつ真実が明らかになってゆきます。

ベテラン俳優さんが、映画全体の説得力を高めるいいお芝居をしていました。

景浦の現在を演じた田中泯(68歳)と大戦中を演じた新井浩文(34歳)が良かったですし、

もう時効ですが、若い頃モゲモゲの歌であんぐりとさせられた風吹ジュンも、

やわらかくていい味を出すようになりましたね。

そして何より、夏八木 勲。

宮部久蔵が戦死したことにより、未亡人となった松乃と再婚した弁護士役で出ていました

が、彼にとってこの映画が遺作となってしまいました。

まさに遺作にふさわしい、見事な演技を見せてくれています。

本も映画も面白かったのですが、

実は原作の時点から少し気に入らないところがあります。

作家が男だからでしょう、未亡人である松乃の再婚へのくだりが

「許し」への材料が揃い過ぎてリアリティーが欠けてましたね。

また、夜な夜な宮部 久蔵が身体を鍛えるシーンも、

人に見つかるくらい声を出しながらするか~?って思ってしまいました。

まぁ総合的に見ると、合格点なのでいいのですが……。

最後に原作を読んでいない人がラストシーンを観て、どう感じたか知りたいですね。

たぶん山崎監督が300万部を超える小説へのリスペクトを込めて、

あのラストシーンを選んだのだと思いますが……、

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のデ・ニーロを

彷彿とさせる終わり方でしたね。

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