今回は4位だった2作品。
まずは「キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け」です。
リチャード・ギア主演の大物投資家のお話。
経済紙の表紙を飾る程の敏腕投資家が、
人生最後の大勝負につまずき、それを発端にさらにトラブルが発生する。
投資のカリスマと目された男のプライドを賭けて、
迫りくる窮地を乗り切ることが出来るのか……。
リチャード・ギアがダンディーな投資家を見事に演じてましたね。
それよりも気になったのが、スーザン・サランドンが妙にキレイに映ってました。
ライティングなのか修正なのか分かりませんが(修正は無いか)、
10歳以上若返ったように見えたの私だけでしょうか。謎です。
あとリチャード・ギアの娘役をやってたブリット・マーリング、
彼女もキレイでしたね~。
「アナザー・プラネット」の時には、特に感じなかったのに不思議です。
もしかしたらこの監督、女性を撮らせたら天才なのかも知れません。
次に同じく4位だったのが、問題児ミヒャエル・ハネケの「愛、アムール」です。
この監督は本当に悩ましいおっさんで、
「ピアニスト」で彼のファンになり、
「ファニーゲーム」でなんじゃこれと思わし、
「白いリボン」で……?。
そして今回「愛、アムール」で再び心を掴まれるといった、
私にとっては、飲まなければいい人なの…みたいなやっかいな監督です。
そんなことを言いつつ、実はこの作品は「白いリボン」につづき
カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞しています。
恵まれた老後生活を送っていた音楽家夫婦の暮らしを描いている作品なんですが、
俳優さんが抜群に良かったですね~。
ダバダバダで知られる「男と女」のジャン=ルイ・トランティニャン82歳と
エマニュエル・リヴァ85歳が夫婦を演じているのですが、
二人の繊細な演技とハネケ独特のロングシーンの相乗効果で、
まるで本物の夫婦生活を覗いているようでした。
静かに老境を過ごしている二人ですが、妻の発病により生活は突然暗転します。
さらに「二度と病院へは戻さない」と妻と交わした約束が、
人生経験が豊であるはずの二人を拘束してしまう。
先進国が抱える共通の課題「高齢化社会」。
この問題をハネケ独自の観点で見事に映像化しています。
「人生はかくも長く、素晴らしい」のキャッチコピーから彷彿とさせる、
切なさと虚しさが詰まった127分です。
「最後まで二人で生きると決めた、至高の愛の物語り……」
その答えはオープニングに全て凝縮されているので、
オープニングはまばたきしないで、しっかり観てください。