5月1日~8月31日までに観た映画の中で、
私の偏った好みで「いいね」と思った作品をご紹介。
ベスト3に絞り込みたいところでしたが、
今回はことのほか良作に恵まれて
中途半端なベスト6になってしまいました。
ということで、第6位の3作品からご紹介。
まずは「思秋期」。
2011年に数々の映画祭で高い評価を得た本作ですが、
下馬評通りオモシロかったですね~。
すぐキレル癖があり社会の底辺で生きているオッサン(ジョセフ)と、
深い闇を抱え生きているハンナ。
不器用な2人が巡り合い、誰もが遠ざけるオッサン(ジョセフ)をハンナは癒す。
徐々に2人は接近し、僅かな希望を見出しかけるのだが……。
ギリギリのところで踏ん張った男とギリギリのところで踏ん張れなかった女。
現実の厳しさと人生の悲哀が、見事に描かれています。
観賞後、ポスターに記されている
「何度も人生に傷ついて、それでもまた人生に救われる」
このコピーがジ~ンときます。
クライマックスあたりで一匹のハエが登場するんですが、
そいつが最高の仕事をしています。
私にとっては、「ザ・フライ」(ハエ男)を超えた、
インパクト最強のハエになりました。
次は同じく6位だった「ソハの地下水道」。
2011年に公開されたポーランド・ドイツ・カナダの合作で、
第二次世界大戦中のポーランドで実際にあった話を映画化したものです。
ソハという下水道修理工が、
ナチスに追われるユダヤ人を下水道に匿った話なのですが、
最初ソハは迷路のような下水道を利用して空き巣を繰り返す姑息なオッサンでした。
ユダヤ人を匿うことになったのも、見返りで貰う金が目当てです。
善人ではなかったソハが、やがて命がけで彼らを守り抜こうと変わってゆきます。
ナチスの執拗な追跡、それを逃れるソハとユダヤ人たち。
張り詰めた緊張感と僅かな希望、それぞれの人間ドラマに目が離せません。
下水道に隠れている女性が妊娠を告白するシーンがあるのですが、
その女優さんの演技が圧巻でした。
是非、観ていただきたいものです。
最後に同じく6位だった「バーニーズ・バージョン」をご紹介。
主演はポール・ジアマッティ。
ポール・ジアマッティは以前「WIN WIN」でも取り上げましたが、
私の勝手な評価では、この作品が彼の最高傑作ですね。
「サイドウェイ」も良かったですが、それを超えた傑作と言えます。
(あくまでも、私の勝手な好みです)
酒に溺れ何度も過ちを繰り返し、その時は反省するが
結局 自分を変えることができない男の半生が描かれています。
さらに、そんな主人公の風変りな父親役として
ダスティン・ホフマンが小気味よい演技で作品の趣きを一層高めています。
ラブコメディだけど丁寧に深く、
波乱万丈なひとりの男をユーモラスにリアルに描ききっています。
なかなかセンスのいい映画でしたね~。
6位が3作品もあったので、次回は4位からの紹介です。