今回は、2012年9月1日~12月31日までに観た映画でベスト5にはいらなかったものの、
オシイナ~と思った映画をご紹介します。
まずは「哀しき獣」。
衝撃の問題作「チェイサー」でデビューしたナ・ホンジ監督の第2作目です。
ちなみに、「惨いシーンはイヤ!!」と言われる方は絶対観ない方がいい映画です。
借金返済のため地下組織のボスから殺人を請負い、中国から韓国へ渡る主人公。
しかし罠にハメられ警察と地下組織、両方から追われる身となってしまう……。
そこからお約束通り、壮絶なバイオレンスが繰り広げられます。
「チェイサー」の時は心に闇を持つ一人の殺人鬼がテーマでしたが、
今回は組織が絡んでいるので殺戮シーンは大幅に増量。
その分おお雑把で繊細さに欠けてる感もありますが、
映画全体を覆う独特の緊張感は今作も味わうことができます。
この手の映画を楽しむには、しばし理屈はコッチに置いといて、
映像から溢れるエネルギーをただ受信する、
という感じで観ると良いのではないでしょうか…。
次に紹介したいのが「サラの鍵」です。
ナチス占領下のパリ。ユダヤ人の強制連行から幼い弟を守るため、
納戸の扉に鍵をかけ弟を隠した姉。 すぐに戻ってこられると信じて……。
第2次世界大戦中の出来事と現代が交錯しながら、
あるユダヤ一家に何が起きたのか真相が徐々に解明されてゆきます。
ストーリー展開がとても巧みで次の展開がどうなるのか
映画に引き込まれてしまいました。
それに、子役がスバラシイ!!
サラ役をやった少女の傑出した演技は、必見に値します。
やっと辿り着いた納戸の扉を開けるシーン。
その時の彼女の表情が今でも頭にこびり付いています。
また一人、天才子役現る!!って感じです。
もう一つ紹介したいのが「預言者」です。
第62回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した作品。
「ゴッド・ファーザー」で有名なシチリア島のお隣、コルシカ島が舞台。
コルシカ・マフィアが牛耳る刑務所で、アラブ系の青年に壮絶なサバイバルが襲いかかる。
人種、さらには人としてのプライドをズタズタにされながらも
青年は必死で生き抜いてゆく。
そんな青年がやがて頭角を現し、周りから一目置かれる存在になり……。
怯えていた青年がのし上がって行く姿を、ハードな映像で描いています。
まさに、フィルム・ノワールという形容がピッタリの作品です。
最後に紹介したいのが「マシンガン・プリーチャー」。
極悪だった男が信仰に目覚め、
ついには内戦に苦しむスーダンの子どもたちを救うという話。
「銃を持った牧師」と呼ばれている、サム・チルダースという実在するアメリカ人を、
「300 スリーハンドレット」のジェラルド・バトラーが演じています。
目標を達成するまでのやり方が、かなり強引でクレージー。
家族をほったらかし、私財を投げ出してスーダンの子どもたちのために
孤児院を建てようとします。
さらに、銃をブっ放し誘拐された子どもたちを救助。どこまで本当かな~。
ともかく実話だけに、エンドロールにはご本人の映像が流れますが、
もちろんジェラルド・バトラーには遠く及ばない、ゴッツイだけのオッサンです。
ただ、こんな人がいたんだ~と知るだけでも少し得したような気がします。
「300 スリーハンドレット」以降パっとしなかったジェラルド・バトラーですが、
この映画は頑張ってたと思います。
以上、気になる方は、観てください。