「岡山全国大陶器市」有名産地の陶器約20万点を一堂に集め、格安で販売。
岡山吉備津彦神社の境内で毎年開催されているそうなのですが今回初めて知りました。
なんとか焼きとか、どこそこの窯元とか、値段の相場とか、
焼物の事なんてほとんど分からないんですけど、
食器類は見るだけでも楽しいし、
最近はまっている「へうげもの」とういう漫画の影響もあり、
ウキウキしながら岡山吉備津彦神社までひとっ走り。
※「へうげもの」については一番下をご参照の事。
空はあいにくの雨でしたが、結構な人出で車の出入りもひっきりなし。
会場内のテントの下には日用雑器から百万円単位の骨董品まで所狭しと並べられています。
(ここでカメラのバッテリー切れ。会場の写真が一枚も撮れませんでした…)
あ、このお椀いいな〜! お、こっちのカップもステキ! あー目移りする〜。
興奮気味であっちをウロウロこっちをウロウロ。おまえちょっと落ち着け。
というのも、その昔店先で手に取った商品を落として割ってしまって
お買い上げした事数回。
「クラッシャー(壊し屋)」という不名誉なあだ名を
友人に付けられてしまった私にとって、
ワレモノのある場所は危険地帯なのです。
興奮しつつ手元・足もとに神経を集中させつつで、もう大変(笑)
雨で下がぬかるんでいたのでつま先でゆっくり歩かないといけない状態でしたが
それが逆に幸いだったかも。
商品を持つたび緊張しているもんだから、買い物が終わる頃にはヘトヘトです。
左のカップは織部焼です。
名はありませんが一見濃緑色のようで明るいところで見ると
虹が差す微妙な色合いが気に入って普段使いに購入。
同じコーヒーやお茶を飲むにしても、自分の気に入った器で飲むと気分が違う。
この「気分が違う」っていうのがけっこう癒しだったりするんですよね。
右は中尾哲彰という作家さんのビアマグ。
値下げしているとはいえ自分にとっては高価な買い物なのでかなり迷いましたが、
2時間近く悩んだ挙句 結局購入。
写真が悪くて分かりづらいですが、青色のグラデーションの中に
金属の結晶が無数に輝いていて、すごくキレイなんです。
「銀河釉」という中尾哲彰氏独自に作り出した釉薬で、
海外で高い評価を受けているみたいですね。
粘土質の違いや釉薬の違いだけでこれだけ面白いものができるなんて本当にすごい。
陶芸って古くさいもののように思えますが、
新しいモノを取り入れて変化し続けているんですね。
奥が深いなー和食器って。
「岡山大陶器市」は20日まで開催らしいので、次の休みが晴れだったらもう1回行ってみよう。
※
『へうげもの(ひょうげもの)』モーニングKC/山田芳裕
これは『出世』と『物』、2つの【欲】の間で
日々葛藤と悶絶を繰り返す戦国武将【古田織部】の物語である
(モーニングKCより)
物語の主人公は戦国時代から安土桃山時代にかけてその名を広く知られた茶人 千利休 ではなく、
その弟子である武人 古田 織部(ふるた おりべ 正式には古田織部正重然)。
茶人として、また織部焼きのプロデューサーとして有名になった人物です。
武将としてはぱっとしなかったものの、千利休の師事を得た事で「数寄者」として才能を開花。
(数寄者〔すきしゃ、すきもの〕:芸道に執心な人物の俗称)
甲冑、服飾、茶、陶芸、グルメetc 己の物欲に正直に生きた彼は、
茶道のみならず、建築や造園、料理にも影響を与えた元祖オタク…いや、天才的文化人。
戦国時代に花開いた「美」や「数寄」を介した新しい視点で、
忠義と数寄との間で葛藤する古田織部と、当時の天下の動勢や武将たちの生き様を描く作品です。
絵については好きずきありますが、よく見ればデタラメのになぜか成立している大胆な構成。
読者の想像を超えるセリフは、わざとらしすぎて逆に気持ちがいい。
「はんっ」や「ミキュン」など一見意味の分からないオノマトペ(擬態語)の使い方も斬新。
何より登場人物がみんな濃い。人間臭く、 泥臭く、あったかいキャラ達が織り成す人間模様が実に面白い。
ぜひとも一度読んでいただきたい。