以前このエピソードでも取り上げたお客様から、とてもうれしいメッセージメールが届きました。このお客様には2度ご依頼をいただいたのですが、最初は24冊のアルバムと15箱のポケットアルバム(1箱5冊入)、トータルで約20,000枚の写真整理をご依頼いただきました。今回はその時のメッセージメールをご紹介します。
スタッフの皆さんへ
6月にお願いしました 〇〇〇〇です。
お礼が大変遅くなりました。
「いくつになっても、離れて暮らしていても、もう会えなくなっても、誰もがみんなふいに家族と過ごす時間が欲しくなったり、家族と過ごしたあたたかい時間を再確認したくなる時があります。そんな時、たとえ写真であっても懐かしいあの時のイメージを思い出すことができれば、少し心がやすらぐことができます。「おくってフォトブック」を通して、写真に刻まれた懐かしい記憶に包まれて、豊かな時間を過ごしていただけることを祈っています。」
ホームページにありましたが、まさにそのとおりのアルバムでした。
この言葉を何度も涙しながら読みました。悲しみだけでなく、思い出と感謝の混ざった涙です。家族を見送り、こうした時間を経て、また歩き出すんだな、と実感しております。
また、父のピアノの写真をありがとうございます。※ピアノを演奏している写真をコラージュしてプレゼントしました
引き揚げの後、親戚にお世話になりながら旧制中学に通い、どうしてもピアノが弾きたくて、夕方から学校のピアノを弾いていたそうです。就職し、お給料をためて買ったピアノ。
娘が生まれ(私です)、小さい時から母がレッスンを受けさせたのですが、いやいや通い、ついには辞めてしまったのですが、父は何も言いませんでした。
実家にあるピアノも片付けなくては、と思っていましたが、いただいた写真をみて、今から始めてみようかな、と思っております。
辞めたことをひと言も叱られたことがなく、自分が好きで弾いていた父でした。
子どもながら、申し訳ない気持ちがいっぱいで今に至っておりましたが…
(中略)
高いかな、と思っていたフォトブックですが、仕上がったアルバムを見てお値段以上のものがあります。
感謝の気持ちで、親戚・友人には「ここで作ってもらったの」と話しています。
写真にはその家族の歴史があり、ご対応も事務的でない部分も多く、ご苦労も多いかとお察しします。
益々のご発展、心よりお祈りしております。
ありがとうございました。
思い出の写真をちゃんと残し、ちゃんと片づける。絶対後悔しない写真整理を目指して取り組んでいる『おくってフォトブック』のコンセプトをご理解いただいたメッセージメールを読んで、心からありがたい気持ちでいっぱいになりました。
メッセージメールをいただいて、初めてお客様がピアノを習っていたことを知りました。そしてお客様はピアノを好きになれず、挫折してしまったことも知りました。そんなお客様をお父さんは責めることがなかった…。ピアノが好きで、ただピアノが弾けるようになりたい!! その思いにまっすぐに独学で努力を重ねたお父さんには、我が子に無理強いしてもダメなこと、向き不向きがあることが分かっていたんでしょうね。残念ながら娘にはピアノが合わないことが…。だから何も言わなかった…。遠い遠い過去に、期待に応えられなかった心苦しさと、それを一切責めなかった心やさしいお父さんとのドラマがあったんですね…。改めて素敵な親子関係だなと、メッセージメールを読んで心にジ~ンと沁みました。親族の結婚式をはじめ仲間との会合やパーティー、バーに設置されているピアノまで、さまざまなシーンでピアノを演奏するお父さんの姿が写真におさめられていました。写真から旋律は聞こえませんが、演奏に耳を傾けるみなさんの表情を見ると、真心を込めて奏でるお父さんならではの音色が聞こえてくるようです。お客様はピアノを続けなかったことに対して、懺悔の想いを綴られていましたが、実はその何倍も何十倍も親孝行をされているのを私たちは知っています。
このお客様の場合、最初にご依頼いただいた時は、「ご自身の誕生から家庭を築くまで」、「お子さんの成長記録」、それに「ご両親の結婚から家庭を築くまで」これら三部作でしたが、4ヵ月後に追加のご依頼をいただきました。
ピアノ同様にお父さんが大好きだったのが旅行。追加の写真には、お父さんとお母さん、ご夫婦で国内・国外を問わず、あらゆる名所で旅を楽しむ写真と、晩年を迎えられたお父さんが、数々の国内の温泉地をゆったりと満喫されている写真が大量に送られてきました。追加依頼の際のお客様からのメールには、
①<母と父の旅行記>昭和60年から平成9年、両親の旅行アルバム22冊を60ページのハードタイプでお願いしたい。
②<父と私の温泉記録>ミニアルバム20冊程の父と私の温泉行きのアルバムを1冊のハードタイプでお願いしたい。
このように記載されていました。お母さんが亡くなった後、お父さんが寂しくないよう、そして大好きな旅行が続けられるよう、ずっとずっとお客様はお父さんに寄り添って温泉旅行を続けられていたのです。その温泉旅行は、平成26年からはじまり令和2年まで21冊のミニアルバムにおさめられていて、1つの温泉地や名所が1冊にまとめられています。
ミニアルバムには、お客様からお父さんへのメッセージが書かれていました。
「お湯は、お部屋も大浴場もよかったね。岩の露天風呂も」
「天ぷら大盛すぎてびっくり これ1人前です」
「いいお湯でした」
「お部屋からの景色はGood ! 」
「富士山ドッカーン」
「お宿のお庭を散歩」
「しだれ桜はつぼみでした」などなど…
そしていつも最後には
「あたたかくなったら また行こうね ! 」
「涼しくなったら また行こうね ! 」
「さぁ 次は どこへ 行こうかな」
高齢のお父さんの人生のモチベーションを高めるメサッセージが、明るい筆跡で書かれています。お客様のお父さんへの尊敬と愛情を感じて、写真整理のお手伝いをしている立場を忘れて、目頭が熱くなってしまいました。
「おくってフォトブック」にご依頼いただくお客様には、それぞれの生き方があり、それぞれのご家族があり、それぞれの軌跡があります。私たちは写真整理を通して、みなさんのこれまでの歩みを拝見し、多くの幸せを覗かせていただくことで、勝手にこっちまでハッピーな気分にさせてもらっています。申し訳ございませんが、こればっかりはお許しください。
今回ご紹介させていただいたお客様は、胸につのる想いを文章にして送っていただきました。でもそれは誰もができることではありません。想っていても文章にできない人がほとんどでしょう。だから写真には価値があるのだと思います。幼い自分を抱いて、やさしい眼差しで見つめている写真。その写真に言葉はいりません。かけっこで1番になって、自分のことのように喜んでいる母の写真。これにも何も言葉はいりません。卒業式で泣いている親の写真。これにも一切言葉はいりません。写真にはウソが写っていません。だから写真を安易に捨てることなく、ちゃんと整理して、ちゃんと残すことを私たちは願っています。
写真整理でお悩みのことがあれば、気軽に私どもにご相談ください。どのように整理したいのか、そしてどのようにまとめたいのかお聞かせいただければ、お客様のご要望に合った写真整理をご提案させていただきます。
さぁご一緒に、納得できる写真整理を行いましょう。