1月~4月までの4ヶ月間に観た映画の中から、
“いい映画ベストスリー”を独断と偏見で発表する、
勝手に映画ランキング、いよいよ1位の発表です。
1位はコレ
「すばらしき世界」です。
いや~良かったですね~。
ある朝、通勤途中にNHKの番組に監督の西川美和さんが出てて、
「すばらしい世界」について語ってたんです。
それ見て、面白そうだな…と思って。
観に行ったのですが、期待以上に面白くてラッキーでした。
この映画の原案は、実在の人物をモデルにした「身分帳」という小説なのだそうですが、
西川監督がアレンジを加えて、より一層良い作品に仕上げているようです。
殺人を犯し、13年の刑期を満了し出所した身寄りのない男が主人公です。
今度こそはまっとうに生きることを誓い、
現代社会のルールや人間関係を咀嚼しつつ自らに取り入れようとしますが、
要領というものを持たずして生まれた男にとってはなかなか荷が重い。
そんな不器用な男の存在を、あるテレビマンが嗅ぎつけ、
面白いネタになるんじゃないかと、追いかけはじめます。
「すばらしき世界」には、
“この世界は 生きづらく、 あたたかい。”というキャッチコピーが付いていますが、
罪を犯した男の生きざまを描きながら、映像が本当にあたたかいのです。
女性ならではの感性なのでしょうか、刑務所からバスに乗り移動する、
そのバスを望遠で捉える映像も慈愛に満ちてて良かったですね。
とにもかくにも題名がいい。
「すばらしき世界」というタイトルに、監督の想いが込められていると思います。
役所広司さんも良かったですね~。
チンピラとひと悶着あった時、自分の得意分野に突入。
まるでゾーンに入ったように目をギラギラさせるシーンは、
主人公の悲しい存在意義が見事に表現されていました。
役所広司といえば「最後の忠臣蔵」が印象に残っていましたが、
「すばらしい世界」も彼を代表する作品として
新たに刻むことにしましょう。