令和初の“いい映画ベストスリー”はレトロな作品ばかりでしたが、
レトロついでに「ヒッチコックのBOX」をご紹介。
こちらもデザインの師匠にお借りしたものですが、
1942年~1960年までのヒッチコックの7作品が収められています。
1942年の「逃走迷路」。1943年の「疑惑の影」。1948年の「ロープ」。1954年の「裏窓」。1955年の「ハリーの災難」。1956年の「知りすぎていた男」。
そしてご存知1960年の「サイコ」です。
18年間のヒッチコック作品を観るにつけ、撮影技術の進化を感じることはもちろん、
物語の切り口や構成の匠さは時代は変われど、唸らされるものがあります。
いずれもこの時代にこんな作品を…と驚かされるものばかりですが、
「ロープ」では物語の最初から最後まで一室だけで展開されます。
カメラアングルでハラハラドキドキの緊張感を演出していて、見事でした。
「裏窓」はあまりヒットしなかった「ロープ」のリベンジのような作品で、
こちらもアパートの一室のみで展開される作品ですが、
見事リベンジを果たし、アカデミー賞の4部門にノミネートされ、
監督賞、脚本賞、撮影賞、そして録音賞を受賞しました。
「裏窓」と言えば何といっても、グレース・ケリーですね。
その美貌は何十年経っても変わりません。
BOXの中でも特に気に入ったのが「ハリーの災難」です。
殺人事件にユーモアとミステリーを融合させた作品で、
ヒッチコックの新しい魅力を発見することができました。
シャーリー・マクレーンがとてもキュートで、
お歳を召しても今だにスクリーンで活躍している理由が分かった気がします。
ちなみにシャーリー・マクレーンは、
「俺たちに明日はない」やマドンナのパトロンとして知られている
ウォーレン・ベイティのお姉ちゃんなんです。
「知りすぎていた男」はオープニングが粋で、そのまま映画に引きづり込まれます。
物語のカギとなるシンバルとシンバルの間から映す観客のシーンなど、
ニクいカメラワークが目白押しで、これ以降の映画に大きな影響を与えたと思います。
サスペンス映画の金字塔「サイコ」も、何度見てもサイコーです。
私の大好きな映画の一つ「素晴らしき哉、人生 !」のシェームス・スチュワートに、
3つの作品で再会することができたのも嬉しかったですね。
おまけのおまけですが、
デザインの師匠に「エクソシスト」もお借りし、鑑賞したのですが、
改めて観て、「エクソシスト」ってリンダ・ブレアの抜きん出た演技力によって
支えられていたことを再確認することができました。