星に願いを

休みの日、久しぶりに美星町まで足を延ばして
美星天文台まで行ってみました。

この町では、全国に先駆けて『光害防止条例』を制定し、
街灯や看板の数や光量、お店の閉店時間までかなり細かく規制されています。

「美星町はこれまで「星の郷つくり」に取り組んできた、
そして今後も多くの人々がそれぞれに感動をもって遥かなる星空に親しむよう、
宇宙探索の機会と交流の場を提供することが町及び、町民へ与えられた使命と考える。」

これは『光害防止条例』の前文の一部ですが、ステキですね。
町民全体で美しい星空を守ろうという意気込みが伝わってきます。


美星天文台の外観。
上のドーム部分には、中国地方屈指の大きさを誇る「101cm反射望遠鏡」が納まっています。
特殊なフィルタを用いて太陽を撮影しモニターで見られる「太陽望遠鏡」など設備が充実していて、
天文愛好家はもちろん、家族連れも気軽に楽しめる人気スポットなんです。


こちらは入口付近の外に展示されている「渾天儀(こんてんぎ)」。
中国古代に使われていた天体位置測定器械の実物大レプリカです。


ロビーの天井には大きなてるてる坊主が吊るされています。
気持ちはよく分かります(笑)


2階のベランダからは、昼間なら笠岡の海や瀬戸大橋が一望できます。
ベランダには双眼鏡が設置されていて、ここでも星を観測できます。

天文台職員さん『今、アンドロメダ銀河を観ています』

なにっ!アンドロメダ銀河!さっそく見せていただきました。
天文台職員さん『中央の方にもやっとしたかたまりがあるのが見えるでしょう?それがアンドロメダ銀河です。
距離は239万光年。私たちは今239万年前の過去の星の姿を観ています。』
ほぉー
双眼鏡なので大きくは見えませんが、そこは想像力で補完。
今頭上にある星空がすべて過去の姿だなんてなんだか不思議な感覚ですね。

頭上の望遠鏡がグィーンと音を立てて動き始めたので望遠鏡室へ。
この望遠鏡はパソコンの画面上で観たい天体を選ぶと、
目標の天体へ自動的に合わせてくれる優れた望遠鏡です。


こちらが101cm反射望遠鏡。
比較できる物がなくて比率が分かりにくいですが、デカイです(笑)
早速土星を観測。リング付きの土星がクッキリ見えます。

お次は月を観測。
クレーターの凸凹や表面の質感もくっきりはっきり。
いつまで見ていても飽きません。
職員さんの解説で、より想像力がかきたてられます。
子供さんにも丁寧に説明してくださいますし、
興味のあることとか質問しても丁寧に答えてくださいます。

閉館の22時までじっくり観測した後は
帰り際には道路脇に座ってしばらく星空を眺めながら、
「月と星の光を身体中に浴びたい」そんな気分で余韻を味わいます。


小学生の頃の自由研究は決まって天体観測でした。
といっても望遠鏡なんて贅沢品は無かったので目視でしたが。
それでも家の周囲は山の稜線が見える程度には拓けていて
星座のカタチや、大小瞬く星々が見えていました。
最近では見晴らしがいいと言われる高台に登っても
遠くにゴルフ場や工場などの照明が目についたりします。
光建物すらない環境で星を楽しむってすごく贅沢な事なのかもしれません。

観測をじっくり楽しみたい方は今の時期おすすめです。


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