私は新旧織り交ぜて、年間約200本の映画を観る。
新旧と言いつつも、比率は旧の方が圧倒的に多く、
しかもその殆どが自宅でDVDである。
映画館で観る映画なんて片手ぐらいではないだろうか。
そんな生活を20年以上続けているのだから、
自分でもほとほと呆れる。
深夜までの業務が多いデザイン業。
疲れて帰宅して、すぐに寝ればいいのにDVDに手を伸ばす。
って言うか、借りなければいいのに週に4、5本借りてしまう。
分かっているのに止められないところが映画ジャンキーの哀しさなのである。
ということで、今年これまでに観た映画の中でNo.1は ジャーン!!
断っておきますが、前述したように「そんなの古り~」なんてご意見は
一切受け付けませんから。
気を取り直して ジャーン!!
No.1は「ミスター・ノーバディ」です。
去年、日本で公開され、DVDにもなっていたようですが、私は3月にやっと観ました。
オープニングのキャスト紹介だったか文字の出方がオシャレで、
この映画イケるかもの予感。
さらに、本編前に挿入されたハトの条件反射のくだりに興味を惹かれ、
本編が始まるやいなや斬新かつ鮮やかな映像美に魅了され、
とどめに、時系列にとらわれず自由に展開するストーリーにご満悦。
私的には、ほぼツッコミようのない秀作でした。
主演のジャレッド・レトという俳優は、私には馴染みがなく、
ジム・キャリーの若い頃をちょっとカッコ良くした感じにしか見えなかったのですが、
どうやら一部の方々には人気がある俳優さんのようです。
ジャレット・レトはさておいて、
私のお気に入りのダイアン・クルーガーが美しかった。
また「死ぬまでにしたい10のこと」や「あなたになら言える秘密のこと」など、
陰のある役をやらせたら10本の指に入るサラ・ポーリーも、いい味出してました。
特に印象に残っているのが、ジャレット・レトとダイアン・クルーガーが駅で出逢うシーン。
スローモーションで歩み寄る二人と、その周りを高速で行き交う人々の映像は、
見事に互いの深層心理を表現していましたね。
その他にも、巧みなカメラワークやスローモーション、
いやらしくないCGが効果的に使われていて、映画全体のクオリティーを高めてました。
ベルギーのジャコ・ヴァン・ドルマルって方が監督で、
この作品以外では「トト・ザ・ヒーロー」や「八日目」が有名。
「八日目」もいい映画でしたね~。
私のお気に入りの俳優ダニエル・オートゥイュが出演してて、
ダウン症の少年とちょっとした旅をするハメになる、軽いロードムービー。
「レインマン」かよ! というツッコミがあるかもしれませんが。
観た人はお分かりだと思いますが、
あのダスティン・ホフマン超えを果たした作品だと思っています。
もう一つの「トト・ザ・ヒーロー」は幻の名画と呼ばれています。
なぜ幻の名画と呼ばれるのかというと、残念ながらDVD化されていないのです。
だからレンタルするにも、中古を購入するにも、VHSしかありません。
権利の問題で揉めているそうで、予想していなかった世界的なヒットが邪魔して
醜いお家騒動を繰り広げ、DVD化の目途は立っていないようです。
映画ファンとしては、がっかりなゴタゴタですが、
デザインに携わる者としては、とてもいい教訓になります。
やはり面倒でも、秘密保持や著作権など、
契約ゴトはちゃんとしなければいけませんね。
ということで、今年これまで観た映画の中でNo.1は「ミスター・ノーバディ」。
もしかしたら、私の生涯ランキングでもベスト45に入るかもしれません。
では次に第2位の発表といきたいところですが、
長くなりすぎたので続きは次回に。