今年5月~8月末までの4ヶ月間に観た映画の中から、
“いい映画ベストスリー”を独断と偏見で発表。
ただし私の場合、DVDでの映画観賞がほとんどなので、
ほぼ旬を過ぎた作品ばかりですが、あしからず。
それでは、今回の第1位は「ファウンダー」です。
ドーンと画面いっぱいに表示されたポスターデザインでお分かりの通り、
世界のマック? マクド? どっちでもいいか……誕生のお話です。
世界ナンバーワンのファーストフードチェーンを築き上げた
レイ・クロックっていうオッサンのことはあまり知りませんでしたが、
この映画で多少知ることができて、とても勉強になりました。
またマイケル・キートンの個性が役柄とぴったりハマってて、
ご本人の霊が乗り移ってるんじゃないの…と錯覚するくらい迫真でしたね~
お話は、1954年からはじまります。
当時52歳のレイ・クロックは、
自分で開発したミルクシェイクミキサーを販売するセールスマン。
彼が開発したミキサーを使えば、いっぺんに5コのシェイクを作ることができる
スグレものでしたが、売上げはイマイチ。
そんな時、8台もの注文が舞い込みます。
大量注文に、喜びと同時にどんな店なのかという好奇心が彼の背中を押す。
すぐさま車を走らせ訪れたのが、マックとディックのマクドナルド兄弟が経営する、
カリフォルニアのバーガーショップ「マクドナルド」だった。
そこには家族や若者が集い、微笑みながらハンバーガーを頬張る姿が。
レイ・クロックは理想的な風景を目の当たりにし、
マクドナルド兄弟に経営の極意を教えて欲しいと嘆願する。
少し怪しいヤツと思いつつ、人の良いマクドナルド兄弟は、
レイ・クロックにスピーディー・高品質・コスト削減という店のコンセプトを教え、
それを実現するため、テニスコートにチョークで厨房の配置図を描き、
スタッフたちと作業工程の効率化を何度も繰り返し、
さらに実際に厨房が出来上がった後も、ムダを省く工夫を重ね、
注文から30秒でハンバーガーが仕上がるシステムを完成させたことを伝える。
目からウロコのレイ・クロックは、
画期的なシステムを開発したマクドナルドになんとか取り入ることができないかと、
フランチャイズ化を提案する。
ビジネスよりも対面する一人ひとりのお客様の笑顔を重視するマクドナルド兄弟は、
当初フランチャイズ化に乗り気ではありませんでしたが、
レイ・クロックの執拗な熱意にほだされ、ついには了承してしまう……
レイ・クロックは、ノーマン・ヴィンセント・ピールという
元牧師さんの「積極的考え方の力」という自己啓発レコードを
毎晩のように聞いていました。
「成功するには根気が一番」
「成功すると思い込めば、絶対成功するんだ!!」などなど。
このノーマン・ヴィンセント・ピールっていう人、
あのドナルド・トランプ大統領が唯一尊敬する人としても知られているそうです。
その後はみなさんご存知の、あのマクドナルドに発展するのですが、
なんとも美しくないサクセスストーリーなのであります。
レイ・クロックは破産しかけた時に、
ハリー・ソネボーンという金融マンに出会う。
また再契約の大詰めの時に、
ストレスからマクドナルド兄弟が倒れてしまう。
この映画を観て分かることは、レイ・クロックというオッサンは、
ヒトとの出会いと運がよかっただけの
超エゴなオッサンだったということではないでしょうか。
映画のキャッチコピーに「怪物か 英雄か」とありますが、
間違っても英雄はありませんね。
この映画でしかレイ・クロックに関する知識はありませんが、
ある時から自分がマクドナルドの創業者だと語っていたようなので
完全アウトでしょう。
115分でビジネスのあり方や世の中の理不尽を目撃することができます。
ぜひぜひご覧あれ~