東京の下町のとある会社にお声がけいただき、
打合せのため、はじめて先方を訪れた時のこと。
はじめてなので移動時間を読み切れず、
約束の時間よりも早く到着してしまい、ど~したものか状態。
お茶をするにも周辺にお店があるのか分からず、
はたまたお店を見つけたとしても、
のんびりするには時間が足りない。
ということで、天気もいいし、その辺りを時間まで散策することに。
しばらく歩いていると、ずっと続く白い壁に何やら異物を発見。
なんだろう?と近づいて見ると。
手づくり感満載の、ナイスな警告が!!
これは一体誰に向けての警告なのか?
散歩している犬に向けてなのか?
犬なら文字が読めないだろうから飼い主に向けてなのか?
しかし、待てよ……
私も犬を飼ってたから分かるが、
彼らが用を足す時は、本能的に角を選ぶはず。
こんなどセンターな場所を彼らは選ばない。
と言うことは、人間に向けてのものなのか?
人間だとすると、イマドキまだやるヒトがいるのだろうか?
でも、ちょうどいい感じで集水口がポッカリ口を開いているし、
もしかしたら、そうなのかも……。
それにしても、この警告はバツグンの出来栄えである。
素材といい、文字といい、全体的な色合いもいい。
特に書体がパーフェクトだ。
威圧感や上から目線を感じさせない、お願いしますよ的な筆跡がいい。
最後に!!を付けてないのもいい。
もしこれがカッチリデザインされた、
プレートや看板だったら同じような印象を受けるだろうか?
デザインというか仕上り感で印象は変わってくるもの。
コレはこの仕上りだから、警告を発する側の人柄が見えてくるのだ。
やめてもらいたいが心やさしい主が、マジックを取り出し、
ガムテープに最低限のメッセージを書いている姿が思い浮かぶ。
なんだか好感が持てるのは私だけだろうか……。
さらに、問題が解決すれば剥がしてしまえばいい。
効率までもいいのだ。
白い壁の1枚の警告が、デザインの大切さを教えてくれる。
ヒマつぶしにはもってこいの出会いにしばし思いを巡らせ、
効率よく時間をやり過ごし、先方との打合せに突入したのであります。