パンパカパ~ン!! 勝手に映画ランキング第1位は、
「博士と彼女のセオリー」です。
今から25年くらい前、友人が深刻な病気で入院しててお見舞いに行ったとき、
「これ読んでみな」って渡されたのが“ホーキング宇宙を語る”。
難しい理論はチンプンカンプンでしたが、なぜか不思議と面白くて、
ブラックホールってホンマにあるんだ~ … と思った記憶は今も残っています。
その本の著者である、スティーヴン・ホーキング博士の
奥さんとの出会いから別れまでの半生を描いた作品です。
博士は車いす生活で、会話やスピーチは人工音声を使うことで知られていますが、
映画のオープニングは、まだ元気な頃の博士が自転車で疾走し、
仲間とお酒を飲み、女の娘のナンパに励むシーンからはじまります。
そんなある日パーティーでひとりの女性ジェーンと出会い、博士は恋に落ちます。
それと同時に博士の身体は除々に自由を失ってゆくのです。
筋力を失う難病に侵されたことが発覚し、余命は2年と告げられ、
二人は先の見えない将来の不安に大いに悩みますが、
覚悟を決めたジェーンのポジティブな決断で二人は結婚します。
博士はジェーンの献身的な支えのお陰で、学者としての地位を確立し、
3人の子宝にも恵まれます。(ここだけの話、3人目の子はちとあやしいですが)
とは言っても、博士の病気は日々進行をつづけ、
看病しているジェーンは気の休まることがありません。
病気により博士の身体機能が低下するにしたがって、
覚悟を決めたはずのジェーンの心に揺らぎが生じはじめます。
そして……。
てな感じのお話ですが、なんと言っても博士役のエディ・レッドメインの演技がスゴイ。
少しずつ思うように身体が動かなくなる過程、
ついには声を失ってからは表情で、博士の複雑な心情を見事に演じていました。
「マイ・レフトフット」のダニエル・デイ・ルイスや
「海を飛ぶ夢」のハビエル・バルデムに肩を並べる名演技と言えます。
DVDの特典にジェーンご本人の映像とインタビューがあったので観ました。
映画で描かれていた通り、とてもいい感じの人で、
彼女あってのホーキング博士だと確信を持てましたが……
ふと、やしきたかじんの「殉愛」が頭をよぎり、
邪推する自分の悪いクセをなだめるのでした。