2015年中旬、勝手に映画ランキング          その1

8月が終わり、私だけが勝手に思っているのですが「また、この時期が来たか…」と。

ということで、しょうこりも無くまたまた書きます。

今年の5月~8月末までに観た“いい映画”を独断と偏見でピックアップ。

ベストスリーの前に、ベストスリーから漏れた惜しい映画を2本ご紹介。

まずは、「めぐり逢わせのお弁当」です。

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インドがこんな映画つくったら反則じゃないの、って感じの映画です。

ムダな歌や集団ダンスが一切無い、大人のあわい恋のお話なのです。

インドの大都市ムンバイにはビジネス街で働く人たちのために、

お昼のお弁当を届ける職業があります。

その数なんと毎日数十万個。

膨大な数のお弁当が、配達人たちの一糸乱れぬリレーによりお昼までにオフィスに届けら

れています。

誤配達の確率が、600万分の1と言うんですから見事です(数字の根拠はさだかではあり

ませんが)。

平凡な日々を送るある主婦も、ダンナのお弁当を毎日配達してもらっています。

しかしこの夫婦、ご多分に漏れず倦怠期に突入。

そこで、妻のことをまったく構わなくなったダンナを振り向かせようと、

腕によりをかけてお弁当を作ることにします。

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上の階に住むオバチャンからアドバイスをもらいながら、

自信満々のお弁当が出来上がり、いつものように配達人に託します。

そして予想していた通り、戻ってきたお弁当箱はピカピカの完食です。

想いを込めたお弁当効果で、ダンナの反応が変わることを期待していましたが、

帰宅したダンナはノンリアクション…。

お弁当の感想を聞いても、なんだかかみ合いません。

なんと、彼女が作ったお弁当は600万分の1の事故に遭遇。

まったく知らない人のもとに届けられていたのです。meguri03

それが運命の悪戯というか、トキメキの誤配になったのです。

自分が作ったお弁当を誰が食べたのか知りたくなった彼女は、

お弁当に手紙を添えます。

すると返事が返ってくる。また手紙を添える。返ってくる。

何度かぎこちないやり取りを繰り返すうちに、少しずつ心を通わせる二人。

いやはや二人の関係はどうなるのでしょう…。

ラストは含みを持たせたエンディングとなっています。

これも、これまでのインド作品らしくないニクイ終わり方。

姿を現すことはありませんが、上の階に住むオバチャンの存在感がナイスでした。

 

次に紹介するのは、「物語る私たち」です。

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「死ぬまでにしたい10のこと」(03年)や「あなたになら言える秘密のこと」(05年)で

主演をした、女優&監督のサラ・ポーリー初のドキュメンタリー映画です。

これまで彼女は「アウェイ・フロム・ハー」(06年)や「テイク・デイズ・ワルツ」(11)で

監督業をやっていますが、ドキュメンタリーはこれが初。

しかも、自分自身を題材にしているところがスゴイ。

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*監督の才能を開花させた、いい映画でしたね~

サラ・ポーリーの母親は、女優やキャスティングディレクターとして活躍し、

自由奔放に人生を駆け抜けて、サラが11歳の時に若くして他界します。

5人兄妹の末っ子であるサラは、幼い頃彼女だけ赤毛だったせいもあり

「サラだけパパに似ていない」と兄妹にからかわれていたそうです。

兄妹と歳の離れているサラは、母親を亡くしてからお父さんに男手ひとつで

育ててもらいました。

お父さんも結構歳をとってからの娘だったので、よけいに可愛かったのでしょうね~。

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女優になり、監督業もこなし、成功を収めたサラ・ポーリーでしたが、

兄妹たちにからかわれたあの言葉が胸につかえたままです。

「私の本当の父親は他にいるのでは?」、彼女は母親の人生を探りはじめます。

母親を知る人たちのインタビューと8ミリ映像を交えながら、

巧みな構成で母親の過去をあばいて行きます。

ナレーションをお父さんがやってるところが、スゴイ。

この映画、母親の秘密を知ってからつくられたドキュメンタリーなんです。

さらに真実を知ったのが、私が2012年のいい映画、

年間1位に選んだ「ミスター・ノーバディ」の撮影中というんだから、またスゴイ。

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「ミスター・ノーバディ」でもサラ・ポーリーは見事で、

陰のある役をやらせたら10本の指に入ると賞賛(私が勝手に)。

自分の出生の秘密というヘビーな題材を、

名前の通りサラっとドキュメンタリー映画にしてしまう。

不思議と後味がサラサラとした、秀逸な映画でした。

次回からはベスト3のご紹介です。

今回はこのあたりで失礼します。

 

 


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