ユニクロの柳井正社長が最高の教科書だと言う、
58四半期連続増益の男 ハロルド・ジェニーンとアルヴィン・モスコー共著の
「プロフェッショナルマネージャー」。
そこまで言うんならと、読んでみることにした。
ただしこの本は、1985年に初版が発売されたもの。
舞台も1925年にジェニーン氏が使い走りのボーイだったところから始まり、
1959年にITT(インターナショナル・テレフォン・アンド・テレグラフ・カンバニー)の
社長兼最高経営者にまで昇りつめ、さらに会社を成長させたという自慢話。
古き良きアメリカンドリームの物語りであり、現在とは時代がまったく違います。
それでも柳井社長がバイブルと力説するのは、
経営者としての魂は時代に関係なく共通していると考えているからなのでしょう。
以下に印象に残ったところを抜粋。
ビジネス理論のどれひとつとして、うたい文句通りには役立たないことを思い知らされた。
あちこちに断片的に役立つ個所はあったが、そうした本や理論のどれひとつとして
企業の経営はおろかそのひとつの部分さえも単一の公式
または使いものになる公式の組み合わせに圧縮してはくれなかった。
またそうした書物の中から拾い集めた有益な断片でさえも、
現実のビジネスに応用するには細心の注意と判断力をもってしなくてはならなかった。
実際、職業人としての私の全生涯を通じて公式の組み合わせや図表や経営理論によって
自分の会社を経営しようとした最高経営者には、いまだかつて出会ったことがない。
逆にハイスクールも出ず、経営理論などぜんぜん読んだことがないのに
自分の事業を運営する術を完全に心得ている人々におおぜい出会った。
どうしてそんなことができるのだろう?
人々は事業と共に生き、事業と共に成長したのだ。
進むにしたがってますます複雑になるビジネスの世界の現実への対応に、
天与の常識を適用し実地によって学習したのだ。
ここは共感できましたね。
自分の創設した事業の核心との接触を失い、ほとんど無知な高級な哲学へと
関心を移した時、利益の減退は始まる。
これも共感です。
さらに
みんながいなくなってしまったその時間こそ、自分自身の仕事、
自分自身の思考ができる時間だ。
むろんやらなくてもかまわない、彼がそうしないからといって会社は潰れはしない。
彼にかわって決定をしたがっている人間はいくらでもいる。
だから適当に彼らに任せ、しかも自分がやっているように見せかけることもできよう。
命令を発し、それに従わせることもできよう。
しかしそこには違いができる。
それはもはや彼の命令、彼の決定ではない。
そのことは自分も知っているし、組織の連中も知っている。
そして彼は仲間や部下たちの尊敬と信用と呼ばれるものを失う。
これもフムフムです。
まぁ成功した人は何を言っても許されますから。
このように、スポ根ならぬビジ根。
星一徹並みのスパルタ経営学ver.と言える本でございました。
最後に
「経営するとは、何かを成し遂げること」
「達成すると誓ったことは、成し遂げなくてはならぬ」
最近 暑くてなんだか気合が足りないな~と思っている方、ぜひご一読を。
役立つか役立たないかは、あなた次第です。