2012年下旬、勝手に映画ランキング その2

昨年9月1日~12月31日までに観た映画ランキング第3位は、
「灼熱の魂」です。

第85回アカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされ、
以前2012年中旬に観た映画№1として紹介した「未来を生きる君たちへ」に
惜しくも敗れた作品です。

しかし、どちらもいい映画なので、
アカデミー賞を度外視すれば、どっちが優れているかの判断は
個人の好みによるところが大きいと言えるでしょう。
ただ間違いないのは、映画を観終わった後の衝撃度は
「灼熱の魂」の方が圧倒的だということ。
私がここ10年で観た映画の中でもNo.1クラスの、驚愕のラストでしたから。

1970年代の中東レバノンが舞台。
ちなみにレバノンはイスラム教とキリスト教、
さらに色んな宗派がモザイクのように混在する国として知られています。
そんな複雑な宗教事情が絡み合い、民族紛争に翻弄された1人の女性が主人公です。
物語は、その女性が死亡し、彼女の子どもである
双子の姉弟に遺言と謎めいた2通の手紙を残したところから始まります。
遺言には姉弟に知らされていなかった兄と父が存在し、
それぞれに手紙を渡すように書かれています。
物心が付く前にカナダに移住して暮らしていた姉弟は、
母親が中東でどんな人生を歩んできたのかまったく知りません。

遺言の証人になかば強制されるように背中を押され、
姉弟は遺言に従い、中東での母親の足跡を辿ることに……。
そこから想像を超える壮絶なストーリーが展開されていきます。

この映画のジャンルはヒューマンミステリーとかで紹介されていますが、
私としてはちょっと違うような気がします。
ミステリーという語感が軽すぎて、なんだか納得いきませんね。
確かに謎解きの部分はありますが、
それよりもっと深い中東の悲哀がリアルに描かれていて、
この映画を観る前と後で、中東のニュースが流れた時の印象が変わりましたから。
まだの方は、ぜひとも観ていただきたい映画です。

それでは、2012年下旬映画ランキング2位の発表は、
次回ということで……。

 

 

 


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