“イグノーベル賞”という賞をご存知ですか?
イグノーベル賞 (Ig Nobel Prize) とは…
「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞で、その名は、「ノーベル賞」と反語的な意味合いの接頭辞を加えたもじりであると共に、「卑劣な、あさましい」を意味する ” ignoble ” と掛けている(Wikipedia引用)
…という、なかなか変わった賞で、“科学モノ”と“変わりモノ”に弱い私は、毎年この発表を楽しみにしています。
そしてつい先日の20日、今年の授賞式が米ハーバード大学で開かれました。
化学賞、心理学賞、平和賞など、各部門で賞の名にふさわしい素晴らしい(面白い)発表が並ぶ中、特に異彩を放っていたのが、日本人2人が音響学賞を受賞した、おしゃべり妨害装置「スピーチジャマー」でした。
スピーチジャマーとは、特定の方向からだけの音を拾うマイクと、音を遅らせる電気回路、特定の方向だけに音を出すスピーカーを組み合わせており、話しかける人に向けるとその人の声を拾い、0.2〜0.3秒遅れて発話者に送り返すことで微妙に遅れて届く自分の声に脳が混乱し、話つづけられなくなるというもの。
動画の途中で、実際に使用している様子が紹介されています。
自分の声が遅れて届くというシンプルな仕掛けなのに、饒舌なリポーターの方でさえ黙らせてしまう威力。
体験してみないと分かりづらいですが、黙らせたり、黙らされたりしてみたいですね。
ちなみに、このイグノーベル賞の日本人の受賞は6年連続とのこと。
過去には、
「火災など緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発」や
「鉄道網など都市のインフラ整備を行う際、真正粘菌を用いて、輸送効率に優れた最適なネットワークを設計する研究」、
「ウシの排泄物からバニラの香り成分『バニリン』を抽出した研究」
など、タイトルを聞くだけで面白そうな研究(もちろん、中身は真面目なものですが)が数々続きます。
変わったもの好きな国民性ゆえかもしれませんが…こうしたかたちで高く評価されるのは、日本人としては嬉しいことですね。
これからも、“笑わせて、そして考えさせてくれる”素晴らしい研究を楽しみにしています。
イグノーベル賞HP(英文ですが、楽しい授賞式の様子がご覧になれます)