2020年上旬、勝手に映画ランキング          その3

もうすでに1年の折り返しである6月に入りましたが、

今年1月~4月30日までの4ヶ月間に観た映画の中から、

“いい映画ベストスリー”を独断と偏見で発表。

第1位はコレ。

2018年のインド映画「パッドマン」です。

ポスターのデザインを見ればお分かりだと思いますが、

あのダークヒーロー「バットマン」のパクリではありません。

でもサブタイトルにある通り“5億人の女性を救った男”。

「バットマン」に負けず劣らずインド全土の女性を救った、

2000年代のヒーローを描いた心あたたまる実話です。

インドの片田舎では、古い伝統にのっとって生理を“穢れ”と捉え、

その期間は屋内ではなく玄関前のソファーで寝るなど、

よく分からない風習に囚われていました。

しかも生理の時には汚れた布を使い回し、決して衛生的とは言えないものでした。

新婚ホヤホヤのある男はそんな実情を知り、

愛する妻を病気から守るため、安くて清潔で機能的なナプキンの開発に取組みます。

もともと発明好きだった男は、いろいろ試作を作り妻で試そうとしますが、

男が生理のことを考えるだけでもタブーな社会。

とうてい妻に受け入れられるハズもなく、自分で試すことに…。

何度かトライ・アンド・エラーを重ねるうちに、

男の奇行が村中に知れわたり、変人あつかいされ、

男は村にいられなくなってしまいます。

愛する妻と離れ離れになっても、男のナプキン開発への熱意は冷めません。

そしてとうとう“これはイケる”というナプキンの製造機を開発。

しかし試してみなければ、製品として合格のクオリティなのか分かりません。

それには“タブー”という大きな壁が立ちはだかります。

でもそこは映画。まぁたぶん現実もそうだったのでしょう。

偶然かつ奇跡的な出会いがあり、問題の品質チェックも無事クリア。

安価で品質もバッチリなナプキン製造機を作り上げることに成功。

男のスゴイところは、製造機を作り上げてからで。

自分で大量にナプキンを製造して販売すれば独占的に儲かるところ、

農村の女性たちに製造機を提供し、それぞれ会社をつくらせ、

彼女たちに製造・販売を任せ、得た利益を分配させたところです。

これにより女性に働く機会を与え、自立を促したのはもちらんのこと、

女性のみの組織にすることで、

新しい生理用品の普及を早めることができたのです。

もともと愛する妻のことを思い、ナプキンづくりをはじめた男。

お金儲けではなく“5億人の女性のため”を貫いたんですね。

そんな男の活動を知ったある大学教授の勧めで、投資コンペに出展することになります。

そして男が開発したナプキン製造機が、見事グランプリを獲得。

グランプリ獲得をきっかけに、ナプキン製造機の優れた性能だけでなく、

農村の女性たちに働く機会を与えているビジネスモデルが評価され、

男はスピーカーとして国連に招かれます。

クライマックスのニューヨーク国連本部でスピーチするシーンは、圧巻です。

たどたどしい英語(英語がダメな私でも伝わりました)で、

世界の中心ニューヨークで、インド社会が抱える問題点とインドの良さを、

ユーモアを交えながら先進国に迎合することなく、

堂々とスピーチする姿は感動的でした。

日本版じゃないポスターデザインの方がお気に入りなので、

おまけにご紹介。

こちらがご本人です。

 


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