2019年中旬、勝手に映画ランキング          その2

時代が令和に変わっても、性懲りもなく勝手に映画ランキング。

令和に変わった5月1日~8月31日までの4ヶ月間に観た映画の中から、

“いい映画ベストスリー”を独断と偏見で発表。

前回お話した通り、今回のベストスリーはレトロな作品になっています。

今回もデザインの師匠からお借りしたDVDの中から、

第2位はコレ。

そう「椿三十郎」です。

これまで何度か観ていますが、何度観てもいい。

そして何度観ても新しい発見がある、素晴らしい作品です。

主人公の三船敏郎や敵役の仲代達也の秀逸な演技はもちろん、

加山雄三や田中邦衛などの初々しさ、一生懸命さがひしひしと伝わってきます。

所々に散りばめられたユーモアとテンポの良さに見落としがちですが、

出演者のキャラクターが絶妙で、何度見ても痛快です。

先にヒットした「用心棒」の続編として創られたそうなんですが、

制作会議を覗いてみたいくらい、黒澤チームのブレーンの優秀さが感じられます。

敵の見張り役で捕らわれの身となる、小林桂樹。

家老の夫人と娘。

家老の伊藤雄之助。

九人の若侍たちが命がけのせめぎ合いを行っている中、

これらの人物たちが張り詰めた空気をニヤリと和ませてくれます。

緊張と緩和、見事なバランスがこの映画がいつまで経っても

愛され続ける所以でしょう。

特に家老役の伊藤雄之助のセリフ

「馬に乗っている人より、馬の方が丸顔」は、

たった数分しか出演していないのに、

これまで若者たちが仕えていたお城の内情を表現しなくても、

どんなお城だったのか全て伝わる、意味のあるユーモアで、最高です。

「椿三十郎」と言えば、映画史上に残るこの決闘シーン。

30秒以上の沈黙の後、あの有名なシーンが展開されますが、

結末が分かっていてもゾクゾクして何度観ても魅了されます。

平和だったお城が悪い大目付によって利用されてしまう、

ややこしい事の発端やあらましを見せることなく観客に理解させる、巧みなテクニック。

ユーモアの使い方の妙技を今回は大いに感じさせられたのであります。

 


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