ウェブ・デザイン栄枯盛衰

今回は少し硬派なウェブ・デザイン系のお話を。

長い蓄積がある印刷・出版の世界に比べると、ウェブの歴史はせいぜい20年。
しかも技術の爆発的な進化によってその内容もどんどん書き換えられています。
ここ数年、僕らウェブクリエイターの間で何かと話題になったのは「Flashの退潮」です。

凝った仕掛けが施されたサイトや、ゲーム性のあるコンテンツの多くは、ごく最近までAdobe社が提供しているFlashアプリとその関連技術で作られていました。
一時期のウェブ業界ではFlashの技術者が肩で風を切って闊歩していた時代があったのです。

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↑実はバサラのトップページも、かつてはFlashで作られてました

でもFlash嫌いのカリスマ、Appleのスティーブ・ジョブスが意図的に”殺しに”きたおかげで、この技術は急激に下火になり、あるいは数年後には無くなっちゃうだろうとさえ言われています。
なにしろFlashを使ってしまうと、ウェブの半分を牛耳るApple製デバイスにはまるっきり表示されないのですからね。

なぜジョブスはそれほどFlashを目の敵にしたのか?
Flashの多彩な機能は、その分コンピュータの計算能力を大量に消費します。
「アレを使ったページを眺めているだけで、iPhoneのバッテリーはどんどん空っぽになってしまう!」
ジョブスはそう叫んでFlashを攻撃したそうです。


そしてジョブスがFlashに代わる技術として推奨したのが、“次世代のウェブ言語”と呼ばれるHTML5というヤツなんですが、、、

でもここだけの話、HTML5を使ってみたウェブ技術者の多くは
「これじゃFlashの代わりにはならないよ…」
と天を仰ぎました。
実際に出来上がるウェブ・ページのクオリティにしても、開発にかかる手間隙にしても、 HTML5はFlashには及ばなかったのです。

でも過去を振り返ってため息をついていても未来はやってこないですしね。
実はFlashを葬られたAdobe自身が、今度はHTML5を使ってFlashばりのサイトを作り上げるための新しい仕組み、 「Adobe Edge」シリーズを立ち上げ、捲土重来を図っています。

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Adobe Edge Animate

正直まだまだFlashには及ばない点も多いですが、かつてのような多彩さに溢れたウェブ表現の再興を信じて、 僕らウェブ技術者は今日も新しい技術の習得に追われまくっています!(←結局一番言いたかったのはコレだったりして(笑))


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