2012年上旬、勝手に映画ランキング その2

これまで観てよかった映画、第2位は「愛す人」です。
これも去年の頭に公開された映画ですが、
私は今年の2月にDVDで観ました。
アネット・ベニングとナオミ・ワッツの演技がよかったですね~。
特にアネット・ベニングは、「キッズ・オールライト」で
アカデミー主演女優賞にノミネートされてたけど、
こっちの演技の方が素晴らしいと思ったのは、私だけでしょうか。

私の記憶が間違っていなければ、アネット・ベニングがメジャーな映画に出演したのは、
「俺たちに明日はない」で知られるウォーレン・ベイティが制作まで関わった「バグジー」。
当時アネット・ベニングがウォーレン・ベイティの彼女だったから、
大人の事情で「バグジー」に出ることができたという噂を聞いたことがあります。
要するに、大物俳優の彼女→チャンスを貰う→実力を付ける→自らが大物になる!
という、あの有名な「ニコール・キッドマンの法則」を実践したのです。
映画の内容は、純粋であるが故に14歳で出産し、離れ離れになった母子の物語。
ラストにアネット・ベニングがそれまで見せたことがない表情で颯爽と歩くシーンは、
歩くアネット・ベニングをノーカットで併走しながら撮られていて、とても印象的でした。

第3位は、「ヤコブへの手紙」「アーティスト」
「ヤコブへの手紙」はフィンランドの映画で、75分という上映時間がよかった。
最近デシタル化のせいなのか、やたら上映時間の長い映画が多い。
そんな中、ムダなくあっさりと展開するフィンランド映画が、
なんだか新鮮に感じられました。
キャスティングもバッチリで、この人しかいない! っていう女優さんを抜擢。
「アーティスト」も同様で、主演のジャン・デュジャルダンっていう舌を噛みそうな
オッサンなんか、この映画のタメのような俳優さんだけど、
皆さんノーマークだったハズ。
両方ともキャスティングと物語がピッタリくれば、
いい作品になる良い例ではないでしょうか。
まぁ「アーティスト」に関しては、完全に企画の勝利と言えますが……。
楽屋でヒロインがジャケットの袖に腕を通して一人戯れるシーンは、
その後の伏線として効果的な素敵なシーンでしたね。
ただ「アーティスト」に一つ注文を付けるとしたら、
二人が息を弾ませたシーンで終わってほしかった。
そうしたら、もっとお洒落なラストだったような……。

 

 

このように2012年上旬、勝手に映画ランキングは、
1位~3位までなぜか人間ドラマ系が占めてしまいましたが、
これは私の本意ではありません。
ただ番外編として、今年これまでに観た中で一番インパクトがあったのは、
間違いなく「アンチクライシスト」ですね。
ビヨークが奇妙な唸り声を上げながら歌い踊る「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や
斬新なシチュエーションで話題になった「ドッグヴィル」を撮った
ラース・フォン・トリアー監督の超問題作。
内容があまりにもドギツイため、いつも行くTSUTAYAでは扱っていませんでした。
出演しているのは、ウィリアム・デフォーとシャルロット・ゲンズブールの二人だけ。
でも二人の濃厚な演技とエグい展開に、
映画が終わるまでそれに気づくことはないでしょう。
特にシャルロット・ゲンズブールの体当たりの演技は、
「どこまで体当たりやねん!!」 とツッコミたくなるくらいスサマジく、
鬼気迫るものがあります。
モノクロ映像をはじめ、スローモーションやカットイン、ズームなどを巧みに操り、
アートの領域に達した映像美が随所で披露されていますが、
やはりエグイ内容に付いて行けるかが問題。
精神的に健康状態な時には、どうぞですが、
精神的に弱っている方は、観るのを控えたほうがいい映画です。


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